住宅ローンで全部借りても大丈夫ですか？

住宅ローンで全部借りても大丈夫な人と
住宅ローンで全部借りても大丈夫でない人がいます。

その違いは、
頭金(自己資金)が用意できる人と、できない人です。

頭金は用意できるが全部借りる人は大丈夫ですが、
頭金は将来のために貯金しておくと安心です。

一方、頭金が用意できないので全部借りる人は、
将来のために貯金が必要になる可能性があります。

さて、一度ここで考えてみましょう。
「あなたは購入したマンションで一生涯住み続けますか？」

購入の時点では考えにくいかもしれませんが、
誰しも将来、購入したマンションを売る可能性は
ゼロではありませんよね。

そこで、15年後にやむを得ない理由で
売ることになったとして考えてみます。

ポイントは、その売る時のローン残高が
いくら残っているのかが重要になります。

買う時に頭金が用意できなくても、
銀行で条件さえクリアすれば、マンション代金、
購入時の諸費用、リフォーム代金もローンを組めます。

例えば、マンションの購入価格が2,200万円、
諸費用200万円、リフォーム費用200万円を
合わせて2,600万円借りたとします。

ローンの返済期間は35年の金利1％で仮定します。

15年後に売ることになりました。
その時の住宅ローン残債は約1,596万円です。

ということは、1,600万円以上で売れなければ
残債を全額返済できません。

実際には、売却時の仲介手数料や登記費用が必要なので
更に高く売れなければなりません。

通常、マンションは土地の価格上昇がない限り、
建物は毎年古くなりますので、価値は年々下がります。

住宅ローンを残したままでは売れない！

1,600万円で売れれば、残債の1,600万円を返済して
プラスマイナスはゼロです。

しかし、1,400万円でしか売れなかった場合はどうでしょうか？

残債1,600万円－売れた価格1,400万円だと＝
200万円の住宅ローンが残ります。

実は、住宅ローンは残したまま売ることはできません。
必ず全額返済しなければなりません。

よって、足らずの200万円は用意する必要があります。
用意が出来なければ、売ることはできません。

なぜなら、銀行は貸したお金を全額返済しないと、
不動産に付けている担保を抹消してもらえません。

担保が付いたままということは、
ローンがまだ残っているマンションということになります。

買い手からすると、ローンがまだ残っているマンションを
買うわけにはいきませんよね。

なので、ローンを全額返済しないと
売ることができないことになります。

ここで、頭金は用意できるが全部借りた人は
残しておいた貯金から200万円を取り崩して支払えば
売り切ることは可能です。

一方、頭金を用意できず全部借りた人は
これまでに貯金ができていないと、
不足分を他で用意できなければ売ることはできません。

しかし、どうしも200万円を用意することができなかった場合
返済する方法が1つあります。

買い替える場合、一定の条件をクリアすれば売却時に
残ってしまった200万円を次の不動産購入に上乗せして
借りられる場合があります。

買い替える方限定の方法なので、
売るだけの人は利用できません。

ただ、条件が厳しいのですべての方が
借りられるわけではありません。

頭金を使って借りる額を減らしていたら？

もし、600万円の頭金を用意できたら、
マンション2,200万円、諸費用200万円、リフォーム200万円

2,200＋200＋200－600＝2,000万円
借りる額は2,000万円です。

そして、同じように15年後に1,400万円で売れました。

元々2,000万円しか借りていませんので、
15年後の残債は、1,228万円まで減っています。

1,400万円でしか売れなくても、
1,228万円を返済し売り切ることができます。

頭金を出すと出さないとではこれだけ違いがありますよね。

頭金は用意できるが、購入時に使用してもいいのか、
残しておいた方がいいのかは、諸条件によって異なります。

判断に迷う人は、ご相談ください。

⇒　16　意外と掛かる！マンション購入諸費用とは？はこちら
⇒　ご相談シートはこちら

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【記事発行元】
◎ マンションナビ（クローバーライフ株式会社）
◎ お問い合わせTEL:　06-6743-7400
◎ 発行責任者　村長洋明（むらながひろあき）
■ ご意見・ご感想・ご相談は ⇒ こちらまで
ご感想は100％目を通し、全ての方にご返信しております。
皆様から頂いた 1つ1つが励みになります。
※ご友人などへの転送はご自由にどうぞ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━